こんにちは!
2021年夏、京急の「歌う電車」が引退することがニュースになりました。
歌う電車ってなに?どうゆう仕組みなの??
これらをお話していきたいと思います!結論としては
電車に搭載されているインバータが歌う電車の正体!
インバータってなに??
といった疑問もあると思うので、それらについてお話していきます!
- 歌う電車とは発車の際にドレミファを奏でる電車のこと
- インバーターとは直流から交流に変換する装置のこと
- 歌う電車は2021年8月で引退してしまった
電車整備士歴10年の筆者が解説します!
それでは、よろしくお願いします!
京急の「歌う電車」とは?
歌う電車とは京急の創立100周年の1998年に導入された「2100形」やその後の「1000形」に搭載されたドレミファインバータが奏でる発車時の
の音が特徴的な電車です。電車の床下に搭載されているインバータ、モーターの音に魅了される鉄道ファンも多く、いわゆる音鉄なんて言われますね♪
なかなか注目することも少ないかと思いますが、聞いてみると車両ごとの音の違いが楽しめると思います
歌う電車はその最たる例ですね
歌う電車ののど!?ドレミファインバータとは
歌う電車の正体はドレミファインバータとお話ししましたが、そもそもインバータとはなんでしょうか?
インバータとは?
インバータは直流の電気を交流の電気に変換する装置になります。
ではなぜ直流の電気を交流に変換する必要があるのでしょうか?
首都圏を走る主な電車は変電所から送られる架線電源が直流の電気を使っています。なぜ直流の電気を使っているのかはこちらの記事で解説しています。
そして電車を動かすモータは交流のモータを採用しています。直流モータに比べて交流モータは
- ブラシの交換がないので、メンテナンスが簡単
- 速度制御の際のロスが少ない
ことなどがメリットになります。なので交流モータを使うために、架線からの電源の直流を交流に変換するインバータが必要になります。
直流モーターのブラシとは何か?直流モーターを使った速度制御についてはそれぞれ別の記事で解説しています。
VVVFインバータとは
さらに電車の速度をコントロールするために、交流モータの回転速度やトルクを制御するには交流電圧の大きさと周波数を自在に制御できる必要があります。
これを可能にするのがVVVFインバータと呼ばれるものになります。
VVVFとはVariable Voltage Variable Frequencyの略で、可変電圧可変周波数という意味です。
つまり電圧と周波数を自在にコントロールできる、直流から交流に変換する装置をVVVFインバータと言います。
詳しいVVVFインバータの仕組みについては別の記事でお話ししておりますので、ぜひ合わせてご覧いただければと思います。
ドレミファインバータの仕組み
通常、周波数を変化させていく際に音が発生してしまい、これはノイズ(雑音)とされてしまいますが、ドイツのシーメンス社が周波数に音階をつけることで
ドレミファソラシド~♪
の音を奏でることができるようになりました。このインバータを京急は「おもしろい」と採用し、ドレミファインバータとして愛されるようになりました。
歌う電車の引退:ドレミファインバータの弱点
走るごとに歌声を響かせてきた電車ですが、いくつか問題がありました
- ドイツ製なので、高温多湿の日本の気候に合わなかったこと
- 故障した場合にシーメンス社のあるドイツに部品を送る必要があること
など、メンテナンスに手間がかかっていたようです。今年の夏で引退する最後の1編成も20年近くインバータを使用しており、ここ数年は故障が多かったようです。
まとめ:歌う電車のドレミファインバータについて知り、電車の音に注目してみよう!
今回は今年の夏で引退する京急の「歌う電車」についてお話しました。
2021年7月18日には引退イベントを開催していますので、歌う電車をリアルで聞くことはできないのですが、興味がある方はぜひYoutubeなどで検索してみて下さい!
その他にも、鉄道車両によって走る音は様々なので、ぜひこれを機に音と仕組みについて注目してもらえると嬉しいです!
そのほかの電車が動く仕組みについてもぜひ勉強してみてくださいね♪
また京急線沿線の「金沢八景駅」で東京湾の釣りも体験できるので、電車の旅と合わせて楽しんでいただけたらと思います。品川駅から約45分で行けますよ♪(私の趣味ブログになります!)
それでは、ありがとうございました!