こちらのページでは、読者の皆様からいただいた質問と回答をまとめております。
同じ悩みをお持ちの方のご参考になれば幸いです!
電車の床下についてる「GS」って箱にはどんな役割があるんですか?
GSは「グランドスイッチ」の略です。車両で使う電気のマイナス部分である、レールを通して変電所に帰っていく電気の入り切りが出来るスイッチがあります。
車両に電気を流して各機器を使用するだけであれば、このスイッチは必要ありません。GSは通常は「入」の状態で、電気は流れています。
スイッチを「切」にするのは、車両基地において「絶縁測定」と呼ばれる検査を行う際に扱います。絶縁測定は機器の回路に実際に電気を流してみて、流れてほしくないところに電気が流れていないかを確認する試験になります。この試験をすることで
- お客さまが感電してしまうことはないか
- 機器の回路が保護されているか(他の機器の回路と混触していないか)
を確認しています。
GSは基本的に絶縁測定時以外に扱うことはありません。また、絶縁測定時にGSが「入」になっていると、正しい抵抗値が測定できません。
絶縁測定に関しては、アースの記事でも書いておりますので、あわせてご覧いただければと思います。
エアセクションについての質問4つ
エアセクションで停車してしまった場合にすぐにパンタグラフを降下させますか?
はい、エアセクションに停車した場合はすぐにパンタグラフを降下させます。
これは過去にエアセクションで起動をさせてしまい、架線を断線させた事象が数件あるので、運転士の教育では徹底して行われているそうです。
ちなみにエアセクションで止まったことをモニタ上でアナウンスしてくれる車両もあります。
②運転士はどのパンタグラフがエアセクションに入っているかどう判断しているんですか?
→どのパンタグラフがエアセクションに入っているかは「クリア表示板」というものを見ることによって分かります。
例えば「7両クリア」の表示があれば、7両はエアセクションから脱出しているため、その中からパンタグラフを個別に上昇させます。
そして小移動を行い、すべてのパンタグラフの上昇をしています。
③通常の走行でエアセクションにかかるときに危険はないんですか?
エアセクションに停車してしまい、再度動き出そうとしたときに大きな電流が流れることが架線断線の原因となっております。
以下に補足説明をまとめてみました!
④3つのパンタグラフが搭載された編成で、2つのパンタグラフで走行することができますか?
可能です。電車ではパンタグラフの不具合・破損や、制御装置の不具合が発生した場合に、当該の搭載車を開放することで走行が可能です。
ただし、加速力は下がってしまうので、勾配がきつい線区や混雑状況によってはそのような対応はせずに、回送扱いとして車両基地に取り込んでしまう場合もあります。その場合はやはり2つのパンタグラフにて走行して回送します。
万が一すべてのパンタグラフが不具合・破損してしまった場合は別の車両にて牽引して回送する必要もあります(救援措置と言います)。