電車の耐雪ブレーキとは?事故を防ぐための大事な機能!

電車の耐雪ブレーキとは?事故を防ぐための大事な機能!

こんにちは!今回は雪の日に活躍する電車の「耐雪ブレーキ」についてお話しします!

疑問を持つ子

耐雪ブレーキってなに?

といった疑問にお答えします!

耐雪ブレーキとは雪が降った際に車輪とブレーキの間に雪が挟まってしまい、ブレーキが使えなくなるのを防ぐための機能です。では一体どんな仕組みなのか、電車整備士歴10年の筆者が解説します!

この記事でわかること
  • 耐雪ブレーキとは
  • 耐雪ブレーキの仕組み
  • 耐雪ブレーキを使用するタイミングと使用した際の影響
  • 雪の影響で起きてしまった電車の事故

電車の耐雪ブレーキについて理解しましょう!

それでは、よろしくお願いします!

目次

耐雪ブレーキとは

耐雪ブレーキとは、電車のブレーキの一つで車輪と制輪子の間に雪がかみこんでしまうことを防ぐために用いるブレーキです。

降雪量の多い時は走行中に車輪と制輪子(ブレーキパッド)の間に雪がかみこんでしまうことがあります。雪がかみこんでしまうことで、制輪子が車輪に対して圧着することができなくなり、ブレーキが効かない状態となってしまいます。

シモ

これを防ぐのが、耐雪ブレーキ!

ではどんな仕組みなのか見ていきましょう!

耐雪ブレーキの仕組み

耐雪ブレーキの仕組みは、ごく弱い圧力のブレーキをかけることで車輪に対して制輪子が圧着した状態を維持することです。

通常のブレーキのように電車を停車させるためのブレーキ力ではなく、車輪と制輪子の隙間をなくすことが目的です。なのでごく弱い圧力でブレーキをかけることで、車輪と制輪子の隙間をなくした状態で走行することができます。

耐雪ブレーキの仕組み
耐雪ブレーキの仕組み

以上が耐雪ブレーキの仕組みになります。続いては耐雪ブレーキをどのようなタイミングで使用するのか?使用した際の影響を見ていきましょう!

耐雪ブレーキの使用タイミングと影響

耐雪ブレーキの使用タイミングと使用した際の影響はどうなっているのか見ていきます。

  • 耐雪ブレーキは基本的に雪が多い日に使用する
  • 耐雪ブレーキを使用することで、速度パターンが低下してしまう

順番に見ていきましょう!

耐雪ブレーキを使用するタイミング

悩む子

耐雪ブレーキって雨の日でも使うことあるの?

こんな疑問もあることかと思います。しかし耐雪ブレーキは雨の日に使うことはありません!

たしかに雨の日は滑走など電車が滑ってしまう現象が起こりやすくなってしまいますが、それは車輪と制輪子の隙間をなくしても変わりません。

なので基本的に耐雪ブレーキはその名の通り、雪が多い日に使用することになります。

耐雪ブレーキを使用した際の影響

耐雪ブレーキは雪が多いでは走行中は常に使用した状態となります。ちなみに特別な制御は必要なく、運転台のスイッチを入れるだけで耐雪ブレーキは動作します。

力行中でも常にブレーキがややかかった状態となるため、いつものように速度は上がっていきません。なのでいつもの速度パターン通りに走行できないため、雪の日ではダイヤが乱れやすい原因の一つとなっています。

また、耐雪ブレーキの仕組みでのデメリットで

  • 力行中はモーターの負荷がいつもより増してしまう
  • 車輪や制輪子の摩耗が増してしまう

ことがあげられます。そのため、通常には使用しないブレーキとなっています。

通常時に使用している電車のブレーキの仕組みについて見る

雪の影響で起きてしまった電車の事故

電車にとって大敵とも言える自然災害ですが、その中でも雪が原因で起こってしまった事故もあります。今回は

  • 西武鉄道の田無事故
  • 東急東横線の元住吉事故

についてご紹介します。

西武鉄道の田無事故

1986(昭和61)年3月23日、季節外れの大雪に見舞われた都内の西武新宿線の田無駅にて列車の衝突事故は起きました。

西武新宿線の田無駅に停車中の各駅停車の列車に、上りの急行電車が衝突した事故になります。この事故では200名以上の負傷者が出てしまったそうです。

事故原因は車輪と制輪子の間に雪がかみこんでしまったことにより、ブレーキが効かなかったことです。まさに今回の耐雪ブレーキの役割としているところです。

西武鉄道ではこの事故をきっかけに全車に耐雪ブレーキを整備したそうです。

東急東横線の元住吉事故

2014(平成26)年2月15日、東急東横線の元住吉駅にて列車の衝突事故は起きました。

元住吉にて停止位置修正をしようとしていた先行列車に、下りの後続列車が衝突した事故になります。両列車には乗客約140名および乗務員4名が乗車しており、乗客72名の方が負傷してしまったそうです。

この事故の原因は車輪と制輪子の間に線路内の積雪、制輪子の塵埃などが介在してしまったことにより必要なブレーキ力が得られなかったことが原因とされています。

この時は耐雪ブレーキを使用中ではありましたが、それ以外の要因もあり事故は起きてしまいました。東急電鉄では降雪時のさらなる運転規制の強化や制輪子の状態チェックの強化、耐雪ブレーキの機能の見直しを図るとしています。

元住吉列車衝突事故の詳しい事故報告書

まとめ:耐雪ブレーキは雪での事故から守る大切なブレーキ!

今回は電車の耐雪ブレーキについてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

首都圏では日常的に使われることはありませんが、稀にある大雪などでダイヤが乱れるのは耐雪ブレーキの仕組み上の理由や過去の事故を受けて安全を最優先にしているからだということをご理解いただけたら幸いです。

電車のブレーキの仕組み電車の安全に関する記事も書いておりますので、合わせてご覧いただければと思います。

シモ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

電車を好きになろうブログでは、鉄道マン歴10年の筆者が鉄道に関することを記事にしております。

ぜひ他の記事と合わせて鉄道に興味を持っていただけたら幸いです!

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