こんにちは!今回はATSとATCの違いについてお話しします!
ATSとATCってなにが違うの?
どっちも安全を守るための装置っていうのは分かるんだけど…
こんな疑問にお答えします!ATSは「自動列車停止装置」、ATCは「自動列車制御装置」と日本語にすると停止か制御かの違いがあります。
仕組みの大きな違いは
- 信号機が地上にあるか、車内にあるか
- ブレーキ制御の回数が細かく設定されているか
が違いとなっています。そんなATSとATCの違いについて、詳しく解説していきます!
- ATSとATCの違いについて
- ATSとATCはどんな区間に設置されているのか
それぞれの内容と違いをしっかり理解しよう!
それでは、よろしくお願いします!
ATSとATCの違い
ATSは自動列車停止装置、ATCは自動列車制御装置ということで、どちらも自動でブレーキを制御するための装置です。
ATS(Automatic Train Stop Deveice)、自動列車停止装置は鉄道車両が信号を冒進しないように、運転士の操作にかかわらず自動的にブレーキを動作させて列車を停止させるための装置です。
ATC(Automatic Train Control device)、自動列車制御装置は鉄道車両が制限速度を自動的に保って走行するための保安装置になります。
停止させるのか、制限速度を守らせるのかの違いがあります。
その仕組みの中でも大きな違いは
- 信号機が地上にあるか、車内にあるか
- ブレーキ制御の回数が細かく設定されているか
でした。それぞれについて詳しくみていきましょう!
ATSとATCの違い①信号機の設置箇所
- ATSでは信号機は地上に
- ATCでは信号機は車内(運転台)に
設置されてあります。ATSでは通常運転士さんが確認している地上に設置された信号機を
- 誤った認識
- 体調不良
などによって冒進することを防ぐための保安装置です。
一方でATCは信号機が見えにくい地下鉄やカーブの多い箇所において、地上の信号機に頼らずに自動で制限速度を守ってもらうための装置なので、信号機は地上ではなく車内にある車内信号機(キャブシグナル)によって制限速度情報などを現示する装置となっています。
それではもう一つの違いである、ブレーキ制御の回数について見ていきましょう!
ATSとATCの違い②ブレーキ制御の回数
ATSでは信号機の冒進を防ぐことを主目的としているため、細かいブレーキは設定されていません。あるのは非常ブレーキのみになります。具体的な動作としては
- 地上に設置されたロング地上子を通過した際に警報ベルが鳴り始める
- 警報ベルを確認したよという扱いを5秒以内にしないと非常ブレーキが動作
- 警報ベルを確認したが、信号機の直下地上子を通過した際に前方が赤信号表示であれば非常ブレーキが動作
といった仕組みになります。なのでブレーキ回数は非常ブレーキが動作するかどうかに限られています。
※ただし、現在の進化したATS(ATS-P)ではブレーキ回数も多く制御しており、乗り心地や速度制御も行っています。
一方でATCでは、制限速度を守らせることを主目的としているため、制限速度に応じて細かいブレーキ制御を行います。具体的な動作としては
- 制限速度を超えた場合は常用最大ブレーキ(非常ブレーキ以外で一番強いブレーキ)を出力
- 制限速度以下になればブレーキを緩解
以上の動作を繰り返します。そのため、ATSと比べるとブレーキの動作回数はかなり多くなっています。
以上がATSとATCの違いになります。続いて、ATSとATCの設置箇所の違いを見ていきましょう!
ATSとATCの設置箇所の違い
ATSとATCはそれぞれどんな区間に設置されているのでしょうか?
そもそもATSは信号機を冒進しないための装置です。一方でATCは信号機が見えづらい区間に設置されて、車内信号機での確認となっています。つまりATCは暗いトンネルの地下鉄やカーブの多い区間に設置されています。
また首都圏などの高密度で列車を走行させたい区間においてもATCが活用されています。例えばJR山手線などは2~3分間隔で運転を行っていますが、これを実現させているのがATCの進化版のデジタルATCとなっています。
まとめ:ATSとATCの違いを知って、鉄道の利用を楽しもう!
今回は鉄道のATSとATCの違いについてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか?
それぞれについてもっと詳しく知りたいという方は、ATSの仕組みとATCの仕組みについて詳しく解説した記事がありますので、ご覧いただければと思います。
また、鉄道には似て非なる言葉がたくさんありますので、そんな鉄道用語の違いについても理解していただければより鉄道を楽しめるのではないかと思いますので、ぜひ合わせてご覧いただければと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!