こんにちは!今回は鉄道が環境に優しいと言われる理由についてお話しします!
なんで鉄道は環境に優しいの?
鉄道のエコな取り組みが知りたい
こんな疑問にお答えします!鉄道はCO2の排出量が自動車の約1/8、航空機の約1/6となっていて、非常に環境に優しい乗り物です!
日本では2050年度のカーボンニュートラル(脱炭素社会)、2030年度の温室効果ガスの46%排出削減(2013年度比)の達成に向けて、環境問題に取り組んでいます。その達成には鉄道が不可欠!!
そんな鉄道がなぜ他の乗り物と比べて環境に優しいのか、理由と取り組みについて詳しくお話ししていきます!
- なぜ鉄道は環境に優しいのか
- 鉄道の環境問題に対する取り組み
- カーボンニュートラルに向けた鉄道の取り組み
今後ますます注目される鉄道の環境的価値について知っておこう!
それでは、よろしくお願いします!
なぜ鉄道は環境に優しいのか
鉄道はCO2の排出量は自動車の約1/8、航空機の約1/6となっていて、非常にエコな乗り物です。
ではなぜ鉄道は他の乗り物に比べてCO2排出量が少ない(エコ)のでしょうか?それは
- 鉄道は鉄の線路を鉄の車輪が走るので、走行抵抗が少ない
- 一度に大量の輸送ができる
- 電気を動力源とする電車では、再生可能エネルギーを使った発電の電力を使用できる
以上がおもな理由です。順番に詳しく解説していきます!
鉄道が環境に優しい理由①走行抵抗が少ない
鉄道は他の乗り物と比べると走行抵抗が少ないです。では走行抵抗とはなんでしょうか?車両には
- 空気抵抗
- ころがり抵抗
- 加速抵抗
- 勾配抵抗
など様々な抵抗があります。簡単に解説します!
車両の表面にかかる空気の抵抗。風が強い日ほどスピードが出ない。
タイヤ・車輪と道路・線路との間にかかる摩擦抵抗。氷のようにつるつるな表面だとなめらかに滑る。
車両の加速力と重量に比例する抵抗。加速力が高く、重量が軽いほどスピードが出る。
坂道を上る際にかかる抵抗。急斜面ほど登るのが大変。
簡単ですが、以上おもに4つの抵抗があります。今回はころがり抵抗に関して詳しくお話しします!
鉄道のころがり抵抗
ころがり抵抗は以下の式で表すことが出来ます。
ここでころがり係数というものに注目すると、ころがり係数は材料によってことなってくる値です。例えば、ゴムは滑りにくく、金属であれば滑りやすいといったイメージが湧くのではないでしょうか?このころがり係数は
- 自動車の場合、タイヤと道路の間に約0.8(引用:ブリヂストン HP)
- 鉄道の場合、鉄の線路と鉄の車輪には約0.52(引用:ものづくりWEB HP)
と鉄道のほうが同じ重量であれば、ころがり抵抗が少なくなります。つまり少ないエネルギーで走ることができるということですね!
ちなみにころがり抵抗がなさすぎると車輪が回転せずに滑ってしまいます。詳しくは車輪の力学の記事で解説しております。
続いて鉄道が一度に大量の輸送ができるということについてお話しします。
鉄道が環境に優しい理由②一度に大量の輸送ができる
自動車、航空機、鉄道でそれぞれサンプルを取って、それぞれの輸送力を比較します。今回は一番人気、一番機体数が多いなどの独断と偏見で選びました。
車体総重量 | 定員 | 1tあたりの定員 | |
自動車(トヨタ ヤリス) | 約1.3t | 5名 | 約3.8名 |
航空機(B737) | 約58.1t | 151名 | 約2.6名 |
鉄道(JR山手線1両) | 約34.6t | 160名 | 約4.6名 |
おおまかな比較ではありますが、鉄道は重量に対して多くの人を乗せて走ることができます!さらにあまり良い状態とは言えませんが、定員を超えた満員電車満員電車の人数ってどれくらい?定員についてもご紹介!であればさらに重量当たりの輸送量は増えますね!
重量が重ければ重いほど、動かすのにエネルギーが必要になります。そのため、他の乗り物に比べて一度に多くの人や物を運べる鉄道はエコな乗り物であると言えますね!
鉄道が環境に優しい理由③再生可能エネルギーを使った発電の電力を使用できる
東急では2022年4月1日より、全路線で運行に使用する電力を再生可能エネルギー由来の電気でまかなうことが、日本初の取り組みとして行われました。(引用:東急HPより)
※再生可能エネルギー由来の電力とは、太陽光、水力、風力、地熱発電などの化石燃料を使わないで発電される電力のことです。
鉄道の中の電車では、自動車や航空機と違ってガソリンではなく、電気を動力源として動いています。そのため、CO2の排出量が少ないことが特徴です。電車では、動力源として使用する電気を発電する際に、CO2などが排出されています。
鉄道分野のカーボンニュートラル加速化検討会では、鉄道事業者のCO2排出量の9割が電力由来であり、使用電力の3/4が火力発電によるものなので、電力調達の方法を検討する必要があるとしています。
そう考えると東急の取り組みは素晴らしいですよね!
さらに電車ではブレーキ時に回生ブレーキを用いることで、ブレーキに使うエネルギーを電気エネルギーに変換して他の車両の走行や駅の設備の電力として使っています!詳しい電車の回生ブレーキの仕組みについてもぜひ一緒に勉強しましょう!
そんなエコである鉄道は今後もカーボンニュートラルの実現に向けてますます注目が高まってくることと思います!
この次では、鉄道が環境問題に対してどう取り組んでいるかをご紹介していきます!
鉄道の環境問題に対する取り組み
鉄道ではCO2排出量を減らすために様々な取り組みを行っています。
- 車両の軽量化・照明のLED化
- VVVFインバータや回生ブレーキなどの省エネ機器の導入
- ディーゼルハイブリット車両や蓄電池電車の開発
- 照明のLED化・屋外緑化
- 自然光を採取できる透過性屋根や省エネエレベーター・エスカレーターの導入
- 車両の回生電力を活用する補助電源装置の導入
またその他、再生可能エネルギーを用いた発電として、風力・太陽光発電システムの導入などが進められております。
カーボンニュートラルに向けた鉄道の取り組み
やぶ国土交通省では、輸送や物流などにおいて積極的に環境に優しい鉄道などを使うよう呼び掛けています。これを「モーダルシフト」と言います。
カーボンニュートラルの実現に向けて、鉄道がますます重要な役割を担っていくことになりますね!
まとめ:鉄道は環境に優しい乗り物!カーボンニュートラルの実現に鉄道は不可欠!
今回はなぜ鉄道は環境に優しい乗り物なのかについてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか?
実際に他の乗り物とCO2排出量の比較などがあると、鉄道の優位性をご理解いただけたのではないでしょうか。
カーボンニュートラルの実現に向けて、今後ますます技術は進歩していくことと思います。
しかし、私たち一人ひとりが移動の際に少し気にかけてあげるだけでも未来は変わってくるのかなと思います。
決して自動車や航空機を否定しているわけではありませんのであしからず。
私も車は運転します。
ぜひそんな鉄道のメリットについて、他にも知っていただけたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!