こんにちは!
電車の車輪にはどんな力がかかっているの?
こんな疑問を解決していきたいと思います!今回は電車が動く仕組みの力学編です!
力学とか難しそう…
無理っ!
なんて思う方も多いかと思いますが、なるべく分かりやすいよう専門用語少なめでお話しますので、ぜひお付き合いください!
まず車輪にかかる力は大きく3つありますので、これらについて詳しく解説していきます!
- 輪重(りんじゅう)とは、1つの車輪がレールに及ぼす力
- 推進力(すいしんりょく)とは、電車が進もうとする力
- 粘着力(ねんちゃくりょく)とは、車輪がレールと接触して踏ん張る力
それでは一つずつ解説していきますので、よろしくお願いします!
電車の車輪の仕組み①:輪重とは
輪重とは、1つの車輪がレールに及ぼす力のことです。
どうゆうことかと言うと、車輪は1つの台車に4枚付いているとします。1両には台車が2つあるので、全部で8枚車輪が付いていることになります。
電車では車両とレールとの接触部分は車輪しかないので、この8枚の車輪で
- お客さまの重さ
- お客さまが乗る車体自体の重さ
- 車体が乗る台車の重さ
を支えています。電車の構成は台車の上に車体が乗っているような物と別記事でお話ししております。
ここで8枚の車輪が付いているのでこれを8で割ると車輪1枚にかかる力が分かります。それに車輪の重さをプラスするとレールに及ぼす重さが分かりますね!これを輪重と言います。
輪重 = (お客さまの重さ + 車体の重さ + 台車の重さ)÷ 8 + 車輪1枚の重さ
こんな感じになります。実際にはお客さまは均等に乗車していませんし、車体重量も均一ではないので、あくまでイメージです。
人間でいうと片足が地面を踏んでいる力といった感じですね!
ここで重要なのは重さ=力だということです!物理では非常に大事です!
輪重はレールに対して垂直方向(90°)に力が作用しています。この輪重のバランスが崩れてしまうと電車は傾いてしまい、脱線につながるため非常に重要な要素です!
どうやってバランスを保っているかは空気バネの仕組みの記事をご覧ください!
電車の車輪の仕組み②:推進力とは
推進力とは一言でいうと、電車が進もうとする力です!推進力はレールに対して平行方向(電車の進行方向と同じ)に作用します。
電車はマスコンと呼ばれる運転台のハンドルを力行(りっこう)側に倒すと加速し、ブレーキ側に倒すと減速します(ワンハンドルマスコンの場合)。
加速はモーターが回転することで推進力を得ることができます。モーターが付いていない付随車(T車)の場合は、モーター車(M車)の牽引力(けんいんりょく:引っ張る力)をもらうことで推進力を得ています。
T車とM車についてはこちらの記事で詳しくお話ししています。
じゃあ減速と推進力は反対方向の力なの?
その通り!
減速は推進力を減らすように作用します!
減速は推進力と反対方向に、摩擦力(まさつりょく)などが働くことによって減速します。詳しくはブレーキ仕組みの記事をご覧ください!
電車の車輪の仕組み③:粘着力とは
粘着力は車輪がレールと接触している部分が踏ん張る力のことです!
電車は車輪が回転してレールの上を走ります。車輪がレールの上である程度踏ん張れていないと、車輪が回転せずにスライドしてしまうことになってしまいます。この踏ん張る力を粘着力と言います。
一般には摩擦力と言った方が伝わるかと思いますが、鉄道では粘着力と言います。
粘着力はレールと平行方向、進行方向とは反対側に作用します。
みなさんが自転車に乗る時に地面がツルツルのところを走ろうとすると、滑って転んでしまいますね?
ちゃんとタイヤと地面が接触して踏ん張れていると、タイヤが回転して地面を押し出して前に進むことができます。それと同じイメージです!
車輪は鉄でできていて、レールも鉄でできています。
自動車と違って
お互いが滑りやすい素材なんですね!
雨が降ると車輪が滑ったりすることがあります、これを滑走や空転と呼びます。それを防ぐために粘着力はとても大切な要素です!
まとめ:電車の車輪にかかる3つの力を理解して、力学の仕組みに詳しくなろう!
- 輪重とは、1つの車輪がレールに及ぼす力
- 推進力とは、電車が進もうとする力
- 粘着力とは、車輪がレールと接触して踏ん張る力
今回は力学的なお話でしたが、ご理解いただけたでしょうか?自転車などの身近なもので考えると分かりやすいかと思います!
これからも電気や機械の力学について、苦手だった人が分かるように頑張って発信していきます!
ぜひその他の電車が動くための仕組みについての記事を読んで理解を深めてみてくださいね!
それでは、ありがとうございました!