電車の電動発電機(MG)の仕組みとは?

電車の電動発電機(MG)の仕組みとは?姿を消していった理由も解説

こんにちは!今回は電車の電動発電機(MG)についてお話しします!

疑問を持つ子

電動発電機ってなに?

悩む子

どんな仕組みで電気を発電しているの?

こんな疑問にお答えします!

電動発電機MG(Motor Generator)と呼ばれる、電車の低圧電源を作り出すための装置です。このMGで作られた電気は主に

  • 車内の照明
  • 空調
  • 電車を制御する制御回路

の電源としての低圧電気を作っています。そのため非常に重要な装置であるのですが、メンテナンス性の悪さから、現代では主流ではなくなっています。

しかし昔ながらのMGの音が好きなど、根強いファンもいらっしゃるようです!そんなMGについて、電車整備士歴10年の筆者が解説します!

この記事でわかること
  • 電動発電機(MG)とは?
  • 電動発電機(MG)の仕組み
  • なぜ電動発電機(MG)は少なくなっていったのか
シモ

昔ながらの電車の装置、電動発電機(MG)について詳しくなっちゃおう!

それでは、よろしくお願いします!

※この記事内ではMGとして呼び方を統一させていただきます。

目次

電動発電機(MG)とは?

電動発電機は架線からの直流1500Vなどの高圧電気から、三相交流440Vを作り出すための装置です。英語ではMotor Generatorと言い、略してMGと呼ばれています。

名前の通り、モーターとジェネレーター(発電機)が一体となっているのがMGです。直流の1500Vの電気を使ってモーターを回転させて、その回転エネルギーを使って一体となった発電機で三相交流を発電しています。

ではなぜ三相交流が電車において必要なのか、MGの役割についてお話しします。

電動発電機(MG)の役割

ここからはMGの役割についてお話しします。なぜ三相交流が必要なのか

  • 電車のバッテリー電源
  • 交流電気は変圧が簡単

これらについて解説します。

電車のバッテリー電源とは?

電車はまずバッテリーを投入することで、電源が入ります。しかし、電車を動かそうとした場合、電車は自力では走行できないので、動力源の電気を外から供給する必要があります。バッテリーを投入し、電車を制御する回路に電源が入ることで、外からの電気を受け入れる準備をすることが出来ます。

これは外からいきなり高圧の電気を取り込んだ場合に、電車が誤作動したり、機器が故障することを防ぐためです。そのため制御回路の電源であるバッテリー電源が必要になります。

しかし、バッテリーも充電しないことにはいずれからっぼになってしまいます。バッテリーが空になると、外からの電気を供給できずに電車が走行できない状態になってしまいます。

なのでバッテリーへの充電が必要になります!バッテリーは直流の100Vです。その充電のために活躍するのが、MGが発電する三相交流になります。

交流電気は変圧が簡単

交流の電気は直流の電気に比べると変圧が簡単です。変圧と言うのは電気の電圧を変えることです。

MGで発電した三相交流の440Vは100Vに簡単に変圧することができます。これには車両に搭載された「補助変圧器(AT)」を使用します。

ATはAuxiliary Transformerの略です。この変圧器を用いることで、交流の100Vを取り出すことが出来ます。

取り出した交流の100Vは横流ファンや扇風機などの車両の機器に使うこともあります。また、「整流装置(ARf)」を使うことで、直流100Vに変換することができます。

整流装置はAuxiliary Rectifierの略です。この整流装置を用いることで、直流の100Vを取り出します。取り出した直流100Vはバッテリーにつながれて充電されつつ、編成に引き通すことができます。

以上がMGの役割になります。ここからはMGの仕組みについてお話ししていきます!

電動発電機(MG)の仕組み

MGは名前の通り、モーター(電動機)とジェネレーター(発電機)が一体となった装置です。架線からの高圧の電気をもらうことでモーターを回転させ、モーターの回転を同じ軸でつながったジェネレーターに伝えて回転させることで発電しています。以下のイメージ図をご覧ください。

電動発電機(MG)の仕組み
電動発電機(MG)の仕組み
  1. 架線からパンタグラフを通して直流1500Vをもらう
    交流電車の場合は、主変換器にて架線からの交流電源を直流に変換する)
  2. 直流1500Vを使ってモーター(M)を回転させる
  3. モーターと同じ軸でつながった発電機も回転する
  4. 三相交流が発電されて、空調・補助変圧器・各車へ引き通される

以上のような流れになります。直流電気で回転する直流モーターの仕組みと発電機の発電の仕組みについては、フレミングの右手・左手の法則を理解することで分かってくると思います。以下のページをご参考にしてみてください。

続いてはなぜMGは少なくなっていったのか。デメリットなどについてお話ししていきます!

なぜ電動発電機は少なくなっていったのか

現在の電車では三相交流440Vを取り出すために、「SIV」という装置を使用するのが主流となっています。SIVはStatic Inverterの略で、「静止型インバータ」と言います。

ではなぜ、MGがSIVに代わっていったのか?MGには以下のようなデメリットがありました。

MGのデメリット
  • 回転機構のため、騒音が大きい
  • 直流モーターの機構上、整流子面やブラシのメンテナンスが必要

このデメリットを解消するために、半導体を使用するSIVが開発されました。SIVは半導体を用いて電気を変換することから、回転しない(=動かない)ので静止型インバータと呼ばれるようになったそうです。

SIVの仕組みについて知りたい方はぜひこちらの記事をご覧いただければと思います。

以上のような経緯からMGは徐々に姿を消していきました。しかし今でもMGを使用している車両は各地に存在しています!

シモ

整備士としてはパンタグラフが上がってMGが回りだす時の音はワクワクするものがありますね!

MGの音が好き!というファンの方も多いようなので、ぜひ皆さんも一度音を聞いてみていただけたらと思います!Youtubeでアップされてる方も多いですね。

MGの音(引用:Pokeoポケオ・鉄道もったいなインフラ)

まとめ:電動発電機(MG)の仕組みを知って、乗った電車の音や振動を楽しもう!

今回は電車の電動発電機(MG)の仕組みについてお話ししましたが、いかがでしたでしょうか?

現在は徐々に姿を消しつつあるMGですが、昔ながらの仕組みを知っておくことは電車を理解する上での基本だと思います。

仕組みを理解したうえで、乗った電車の音や振動を楽しめれば、普段利用する電車ももっと楽しく乗ることが出来ますよ!

今回の直流モーターの回転する仕組みや、架線からの電車の電気の流れが分からない方は、その他の電車の動く仕組みについても合わせてご覧いただければと思います。

シモ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

電車を好きになろうブログでは、鉄道マン歴10年の筆者が鉄道に関することを記事にしております。

ぜひ他の記事と合わせて鉄道に興味を持っていただけたら幸いです!

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